サンクレイドル大宮公園レジデンス 2021年11月竣工
分譲マンションを購入すると、毎月の住宅ローン返済とは別に「管理費」を支払い続けることになります。管理費はマンションでの暮らしを支える大切な費用ですが、具体的な使途であったり、相場がいくらくらいなのか分からない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、分譲マンションの管理費の内訳や購入前に確認しておきたいポイントを分かりやすく解説します。
分譲マンションの管理費とは?修繕積立金との違いも解説

マンションの管理費は、何のために支払う費用なのでしょうか。合わせて支払う修繕積立金との違いも含めて、管理費の基本的な仕組みから見ていきましょう。
管理費の定義と支払い義務
管理費とは、マンションのエントランスや廊下、エレベーターといった「共用部分」を日常的に維持・管理するために、区分所有者が毎月管理組合へ支払う費用です。「建物の区分所有等に関する法律」に基づき、区分所有者である限り、継続して支払い義務が発生します。
たとえ自身が住んでいない場合や、賃貸に出して第三者が住んでいる場合でも、区分所有者である限り支払い義務はなくなりません。なお管理費の金額は、住戸の専有面積に応じて決まるのが一般的です。居住階や、共用施設をどれだけ利用するかは原則考慮されません。
参照元:建物の区分所有等に関する法律
管理費の主な内訳
毎月支払う管理費は、具体的にどのような項目に使われているのでしょうか。管理費の支出として大きな割合を占めるのが、管理会社へ支払う「管理委託費」です。管理会社への委託内容には、管理組合の事務管理業務、管理員派遣業務、日常清掃業務などが包括的に含まれます。
そのほか管理費は、以下のような費用にも充てられています。
- 共用部分の水道光熱費
- エレベーターや消防設備等の保守点検費
- 植栽の手入れ
- 共用部分の損害保険料
- 備品・消耗品費
エントランスや廊下の照明、エレベーターを動かす電気代といった日常的な共用部分の水道光熱費なども、管理費から支払われています。
修繕積立金との違い
管理費とよく混同されるのが「修繕積立金」です。管理費が「日常的な維持管理にかかる費用」であるのに対し、修繕積立金は「将来の大規模修繕工事に備えて計画的に積み立てる費用」と位置づけられます。両者は管理組合内で別会計として処理され、原則として相互流用は認められていません。
分譲マンションの管理費に差異がある主な要因

管理費の金額は、どのマンションでも一律というわけではなく、建物の規模や状態などによって月々の負担額には差が生じます。管理費に差異がある主な要因として、以下のようなものが挙げられます。
- 総戸数の規模
- 築年数の経過
- 物件のあるエリア
総戸数が少ないマンションでは、エレベーター等の保守費用や管理委託費といった固定費を、少ない戸数で分担する必要があります。そのため、1戸あたりの負担が大きくなる傾向にあります。
また、築年数が経過したマンションでは、損害保険料の改定や設備の経年劣化への対応により、管理費が見直されるケースもあります。さらに、エリアによって人件費や光熱費の水準が異なるため、同じ規模の物件でも地域差が生じます。
分譲マンションの管理費や修繕積立金は安いほど良いとは限らない

サンクレイドル 西所沢 2025年9月竣工
毎月の支出はできるだけ抑えたいと考えるのが自然ですが、管理費や修繕積立金に関しては「安ければ安いほど良い」とは言い切れない側面があります。マンションの管理費は、共用部分の清潔さや防犯性、設備の保守状態といった管理の質に直結します。
将来、賃貸に出したり売却したりする際の評価にも影響するため、管理の質は資産価値を支える大切な要素となります。管理費が極端に低く設定されている物件では、清掃が行き届いていなかったり設備点検が簡略化されたりして、管理の質が低下するリスクがあります。
管理費は単なる「コスト」ではなく、快適な住環境と建物の状態を維持するための費用と捉える視点が大切です。金額の大小だけで判断せず「その費用が何に使われ、どのような管理サービスが提供されているか」にも目を向けてみましょう。
検討している物件の管理費が相場と比較して、極端に高い場合は共用施設が充実していて管理内容が手厚く、極端に低い場合は管理内容が簡素であるケースが多いため、その理由を確認しておくと納得して購入の判断ができるでしょう。
購入前に確認したい管理費に関するポイント

実際に物件を選ぶ段階では、どのような点に注目して管理費を確認すればよいのでしょうか。購入後に「思っていたよりも負担が大きい」と感じることがないよう、事前に押さえておきたいポイントを3つの視点から解説します。
購入検討段階で確認できる管理費の情報
購入を検討している段階で管理費を確認する方法としては、以下のようなものが挙げられます。
- 物件の公式サイトや不動産ポータルサイトの物件詳細ページ
- 管理規約の別表
- モデルルームの営業担当者へのヒアリング
物件の公式サイトや不動産ポータルサイトの物件詳細ページには、管理費・修繕積立金の月額(最低〜最高額表記)が掲載されているのが一般的です。また、管理規約の別表にも管理費の月額が記載されています。
複数の物件を比較する際は、月額管理費を専有面積(㎡)で割って平米単価を算出する方法がおすすめです。この方法を用いれば、規模や広さの違う物件同士でも、同じ基準で比較しやすくなります。
管理体制と管理会社の業務範囲
物件によって管理体制は異なるため、購入前に内容を把握しておくことが大切です。確認しておきたい主なポイントは、以下のとおりです。
- 管理会社が担当する業務の内容
- 管理員の勤務形態(常駐・日勤・巡回など)
- 清掃の頻度や範囲
管理会社は事務管理、設備点検、清掃、管理員業務などを担当しており、どの業務を任せているかは物件によって異なります。担当業務の範囲が広いほど管理費は高くなる傾向にあるため、提供されるサービス内容と金額のバランスを把握しておきましょう。
管理員の勤務形態にも、平日のみの勤務や週に複数の巡回など、いくつかのパターンが見られます。
値上げを見越した資金計画
管理費や修繕積立金は購入時の金額が維持されるとは限らず、社会情勢の変化に応じて見直されるケースは珍しくありません。近年では、人件費の高騰やエネルギー価格の上昇を背景に、管理費の値上げに踏み切る管理組合が増加しました。
国土交通省「令和5年度マンション総合調査」によると、駐車場使用料等からの充当額を除く単棟型マンションの管理費の平均は、平成30年度の月額10,970円から令和5年度の月額11,580円へと上昇しています。
住宅ローンを完済した後も、管理費・修繕積立金・固定資産税は継続的な固定支出となります。月額のローン返済額にこれらを合算した「月々の総住居費」で家計シミュレーションを行うと、長期的に無理のない資金計画を立てやすくなるでしょう。
参照元:国土交通省「令和5年度マンション総合調査結果〔概要編〕」
まとめ
分譲マンションの管理費は、共用部分の維持や管理員の人件費など、マンション全体の暮らしを支えるための費用です。月の負担額は総戸数や築年数、エリアによって変動するため、検討中の物件の管理費が相場と比べてどの水準にあるかを把握しておくと、その金額が物件の特性に見合っているかを判断しやすくなります。
目先の金額の安さだけでなく管理費は社会情勢等により値上げする可能性があることを見越し、管理内容と管理費のバランスまで含めて総合的に検討しておけば、想定外の出費が生じにくくなります。管理費の役割を正しく理解したうえで、自身のライフスタイルや家計に合った住まい選びを進めていきましょう。



